第一幕


平和なうみねこ島に突然流れ着いた黒猫、サンゴロウ。


彼には遭難前の一切の記憶がなかった…

そして三年後、今やうみねこ島一の、誰もが憧れる船乗りになったサンゴロウ。


そんな彼の元に、大病院の院長であるナギヒコから思わぬ依頼が飛び込む。




「キララの海へ行く気はないか…」




安らかに眠り続け、やがて衰弱して死んでいく…

そんな恐ろしい病「ネムリ病」の薬の原料があるのは、
遭難者が後を絶たない危険な海域

「キララの海」

しかないのだという。


うみねこ島に漂着した彼を助けた恩人であるナギヒコは、いまや彼の親友である。


薬が足りなくなれば医者のナギヒコは信用を失ってしまう。

親友の願いとうみねこ島の人々の命を背負って、
キララの海へ臨むサンゴロウ。

しかし「キララの海」で、彼は視てはいけないものに出会ってしまう…




キララの海の向こうで過ごした、揺蕩う真昼の海のような日々にサンゴロウは懐かしさを感じる。






第二幕



無事、キララの海から生還したサンゴロウ。


気ままな航海から帰港したうみねこ島の港が騒がしいことに気づく。


キララの海生還の際の恩人であるカジキじいさんの孫娘、
ミサキが危険な濃霧の立ちこめる海で置き去りにされ、


重い病にかかっているカジキじいさんが自分の命も省みずに救出に向かったのだ。


危険を承知で霞む海へ出るサンゴロウ。


霧が含む磁気で航海に必要な器具は全てダメになった。




「自分を信じること」それだけが生還の鍵…





夢か現か、それさえも解らなくなってしまいそうな霧の中で、
サンゴロウは、もう1人の自分と対峙することになる。



光か闇か。生か死か。

全てを覆い隠す濃霧のなかで失われたモノとは…









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